- 外構をハウスメーカーに頼むと高くなるって聞いた。
- 中間マージンを無くしたいからハウスメーカーに頼まない。
- やっぱり金額が安い方に頼みたいな。
新築をする時に外構もハウスメーカーに頼むかどうか悩んでしまいますよね。
検索すると「ハウスメーカーに外構を頼むと高いからやめた方がいいよ。外構業者に直接頼んだ方がいいよ。」みたいな記事がたくさんヒットします。
実際はどうなのか、外構専門店とハウスメーカー両方の勤務経験から深掘りしていきます。他では聞けない、両方の裏方事情を知っているからこその視点で解説していきますよ。
こんにちはテツです。
執筆者
- 経歴:外構専門店6年・土木職人2年・ハウスメーカー9年
- 資格:1級エクステリアプランナー・2級土木施工管理技士、など
- 現在:外構専門店運営・現役フリーランス
ツイッター上でも色んな意見があります
門柱だけはへーベルハウスの外構工事で!30年耐用外壁塗装の実力とは?
高い理由に納得できるなら
ハウスメーカーの外構工事は
満足度が高いと思います#共働き夫婦のヘーベル日記 https://t.co/mW7wYiyVIu https://t.co/N8LC0ugSrA— るんばー&共働き夫婦の家づくりブログ (@Roomba960) November 14, 2019
外構工事はハウスメーカーでやると高いと言いますが……実は色々メリットがあるんですぞ?!
いくらぐらい予算をもつべき?
我が家の施工と費用はいくら?などまとめました!#家系ブログを盛り上げる会#外構
— 【ちかどころ】近所@家づくりブロガー (@kinjyo35) July 19, 2020
外構打ち合わせ終わった〜2時間半😅 ハウスメーカーと違って外構商品についてよく知ってて提案も幅広かった。やたらウッドデッキを広げようとしてきたこと以外は良かったなー!
— めけめけ@シミュレーションの女王 (@mhmkmml) January 10, 2020
この記事を読むと、外構を頼むのはハウスメーカーか外構専門業者のどっちを選ぶといいのか分かるようになりますよ。
最後まで是非ご覧ください。
外構をハウスメーカーに頼むと高いと言われる理由
中間マージンが発生するからという事実は間違いありません。
以下に図でまとめました。
この図のようにそれぞれの会社に利益が出るように赤矢印で中間マージンが発生しています。
そのため外構はハウスメーカーを挟まず、外構業者へ直接頼んだ方が安いから得という主張が多いのですが、実際はそんな単純ではありません。
下請け構造も大きく関わってきます。
「見積もり金額」と「下請け構造」の関係
ハウスメーカーも外構業者も会社によって下請け構造が違います。
工事を進めるためにはたくさんの工種が絡み合うため、対応するには得意分野は自社で行い、それ以外は下請け業者に依頼して工事を進めることが一般的です。
この章では、「見積もり金額」と「下請け構造」がどのように関係しているのか3つの例を以下に挙げて解説していきます。
例1:自社施工もできるバランスのとれた外構業者
土木工事と左官工事が得意で金額も抑えることができる会社の例です。
下請け職人で対応する工事は中間マージンが発生するので割高になります。
例2:デザインに特化した外構業者
優秀なデザイナーが在籍している会社で、工事自体は下請けの職人に依頼するため金額は少しUPしますが、ハイレベルなデザインを提供できる会社の例です。
ハウスメーカー(地域の工務店も含めるとする)も同様で、大工さんが在籍しているハウスメーカーがあれば、製材工場を所有していて木材を提供できるハウスメーカーもあります。
自社から直接提供できるものは金額を抑えることができます。
例3【ベスト】:ハウスメーカーの社内に外構専門部署(担当者:営業・設計・管理)がある
この構造が「建物・外構・金額」のバランスがとれていてベストです。僕が前職にいたハウスメーカーはこの構造だったので体験談として断言できます。
ハウスメーカーは外構の専門知識は持っていないから外構業者へ丸投げしているという記事も見かけますが、上記の図のように外構専門部署があれば丸投げではなく全てのバランスがとれています。
【外構専門業者vsハウスメーカー】金額以外に比較するもの4つ
外構業者とハウスメーカーに相見積もりをした場合「金額の安い方に頼みたい」というのが強烈な心理としてありますが、合わせて比較しなければいけない事があります。
以下4つの事を見落としていると外構に失敗します。
それぞれ解説していきます。
保証面の充実
完成したものに不備があった場合の保証です。
例えば植えた木が枯れた場合に保証してもらえる「枯れ保証」は必須です。その他、コンクリート工事やタイル工事など全ての工事に対しても保証があればベストです。
保証内容は業者によって定めるものなので期間や免責に差はありますが、例として以下のような感じです。
保証内容の簡単な例
対象部位 | 現象 | 保証期間 | 免責 |
コンクリート | 著しい沈下、亀裂、欠損 | 2年 | 軽微なひび割れ |
土工事 | 著しい沈下、隆起、排水不良 | 2年 | 生活に支障のない程度 |
アルミ工事 | 著しい反り、変形、損傷 | 2年 | 経年変化、使用の不注意 |
石、レンガ、タイル | 著しいひび割れ、剥離 | 1年 | 収縮亀裂、白華 |
植栽 | 枯れ | 1年 | 移植、管理不足 |
アフターフォローの対応
工事が完了した後にどのようなアフターフォローがあるのか確認して下さい。
アフターフォローとは以下のようなものです。
- 保証に準じた点検
- 不具合があれば補修などの対応
ハウスメーカーであれば家に対して定期点検というものが必ずあります。外構もハウスメーカーに頼んだのであれば、定期点検の時に合わせて見てもらうことができます。
自分では気づかない事を発見してもらえることは安心ですね。外構業者も定期点検をしている会社はありますが、あまり多くはありません。
アフターフォローに関してはハウスメーカーの方に分があると言えます。
工事に対する安心度
残念ながら工事というものは、どの業者も同じではありません。完成された商品を購入するのではないことが最大の特徴だからです。
工事を安心して任せることができるかどうか見極める方法として、最低でもチェックしておきたいことは以下です。
- 着工までに図面や仕様(色・品番)を明確にした書類を共有してもらえる
- 契約書を交わし、金額・工期・支払い方法を明確にしている
- 工程表を提出してもらえる
- 着工前に近隣あいさつをしてもらえる
以上のことは対応していて当たり前なので、事前に必ず確認して下さい。
口コミ・評判・アンケート公開
お客様の声として発信されているものをチェックすることは安心につながります。
SNSは特にリアルな声が多いので参考になります。
また、工事の完成後にアンケートをとっている業者がたくさんあるので公開しているのであれば目を通して下さい。
外構をハウスメーカーに頼むメリット2つ
外構をハウスメーカーに頼むメリットをまとめると以下の通りです。
- 建物との一貫したデザインと品質の確保
- トータルでの責任保証
それぞれ解説していきます。
メリット1:建物との一貫したデザインと品質の確保
例えば、建物の外壁に使われている素材や、玄関に使われているタイルと同じ素材を外構に使うことが可能です。ハウスメーカーオリジナルの商品を使っていることがよくありますよ。
品質においては、ハウスメーカーが外構にも一定の品質基準を持っていることが多いです。
メリット2:トータルでの責任保証
ハウスメーカーが建物と外構の両方を担当するということは、全体の責任を持つということになります。窓口がひとつなのは楽ですね。
ハウスメーカーが全体の責任を保証してくれるメリットがあります。
外構をハウスメーカーに頼むデメリット2つ
外構をハウスメーカーに頼むデメリットをまとめると以下の通りです。
- 見積もり金額が高くなる可能性
- デザインの自由度が低い
それぞれ解説していきます。
デメリット1:見積もり金額が高くなる可能性
「見積もり金額」と「下請け構造」の関係で解説したように、金額が高くなる傾向にあります。
ハウスメーカーと外構業者の間には、元請けと下請けの関係ができてしまうため、ハウスメーカーは自社のマージンを含めた価格設定にするためです。
マージンの割合は会社によって独自で決めているので一概には言えません。
以上の理由からハウスメーカーに外構を依頼する場合は、金額が高くなる可能性を考慮しておきましょう。
デメリット2:デザインやアイデアの物足りなさ
ハウスメーカーの場合は、外構に関してのデザインやアイデアに過度な期待は望めないことが多いです。
ハウスメーカーは建築のプロであって、外構のプロではありません。外構のデザインセンスは平均的で、特に植栽に関する知識が乏しい傾向にあります。
おしゃれでオンリーワンのデザインを希望するのであれば、外構専門業者に依頼しましょう。
ハウスメーカーでの外構工事を断る勇気も必要
外構専門業者に依頼したくなると、ハウスメーカーでの外構工事を断らなければいけません。
ハウスメーカーの営業マンに良くしてもらっていると、断るにも気が引けそうですが正直に話しましょう。外構だけは別業者にするということは一般的によくあるので、営業マンも慣れていますよ。
ハウスメーカーで外構をするメリットとデメリットをよく理解し、後悔のない選択をすることが大切です。
外構を専門業者に頼むメリット2つ
外構を専門業者に頼むメリットをまとめると以下の通りです。
- コストパフォーマンスとデザインの自由度
- 専門的な知識と経験
それぞれ解説していきます。
メリット1:コストパフォーマンスとデザインの自由度
ハウスメーカーに頼む場合に比べて、コストパフォーマンスとデザインの自由度が高いです。
外構業者に直接頼むことで中間マージンが発生することはありません。また、外構に特化しているので、デザインの自由度が高く斬新な提案も期待できます。
外構の専門業者である僕は、よくお客様から「ハウスメーカーに比べて費用を抑えることができてデザインも納得です。」と言われます。
外構に特別なこだわりがある場合は、専門業者に頼むことをおすすめします。
メリット2:専門的な知識と経験
外構の専門業者は、知識と経験が豊富です。
毎日外構に携わっているため、最新のトレンド情報や技術を把握しつつ、知識と経験が豊富です。一般的には思いつかないアイデアや解決策を提案してくれるでしょう。
専門的な知識と経験により、より良い外構を実現できるメリットがあります。
外構を専門業者に頼むデメリット2つ
外構を専門業者に頼むデメリットをまとめると以下の通りです。
- 業者による品質のばらつき
- 新築の場合は建物引渡しまでに外構は完了していない
それぞれ解説していきます。
デメリット1:会社による品質のばらつき
外構の専門業者といっても、業者によって品質にばらつきがあります。
外構専門業者はたくさん存在していて、技術力やサービスの質に違いがあり、業者選びは慎重になってください。
失敗しても簡単にやり直しできないのが外構工事です。最悪の場合は泣き寝入りするしかないこともよく聞きます。
業者による品質のばらつきがあることは覚えておきましょう。
デメリット2:新築の場合は建物引渡しまでに外構は完了していない
ハウスメーカと外構が別会社であれば、建物が完成しても外構はまだ完成されません。
建物の引渡しまでは、ハウスメーカーの管理期間です。万が一のトラブルを避けるため、別会社でする外構工事は建物の引渡し後にしなければいけないことが多いです。
引越しや生活できるタイミングは必ず確認しましょう。
自分で外構業者を探す方法
自分で外構業者を探す方法は、以下の4通りがおすすめです。
- インターネットを使って外構業者を探す
- ハウスメーカーから外構業者を紹介してもらう
- 外構の一括見積もりを利用する
- 友人・知人から外構業者を紹介してもらう
たくさんの業者を見つけることができると思いますが、自分に合いなお且つ信頼できる業者に絞るにはひと手間かかります。詳しくは、信頼できる外構業者の探し方を伝授!プロが明かす業者を見極めるポイントも解説をご覧ください。
外構の一括見積もりという方法について
年々一括見積もりサイトが増えていますが、タウンライフリフォーム(外構特集)が信頼できてオススメです。登録されている業者は厳格な国家基準をクリアした信頼ある優良企業のみが掲載されています。
\隠れた優良企業も見つかる/
もし、タウンライフリフォームでお住まいの地域に業者が見つからなかった場合は、他にもおすすめの一括見積もりサイトがあるので詳しくは外構の一括見積もりできる4サイトを比較をチェックです。
外構を頼むなら【ハウスメーカーvs専門業者】こんな方がおすすめ
外構をハウスメーカーに頼む場合と、専門業者に頼む場合の両方にメリットとデメリットがあることを解説してきました。
「結局、どっちがおすすめなのか分からない」という方に向けて、それぞれ以下にご紹介します。
ハウスメーカーがおすすめの方
以下のような方は、ハウスメーカーをおすすめします。
- 保証やアフターフォロー、相談などの窓口をひとつにして煩わしさを避けたい
- 新築の完成と同時に、外構も完成していてほしい
- シンプルなデザインでもいいので、品質や安心を優先したい
外構の専門業者をおすすめの方
以下のような方は、外構専門業者をおすすめします。
- 自分だけのおしゃれなオリジナルデザインが欲しい
- より専門的な意見とアイデアを提案してほしい
- コストダウンを図ることが第一優先
まとめ:ハウスメーカーの外構が高いには理由あり
この記事では、ハウスメーカーの外構は高くなる傾向がありますが、高くなる理由やメリットとデメリットを解説してきました。
外構の専門業者に頼むメリットとデメリットも合わせて解説してきたので、金額だけではなく総合的に判断して、依頼先を決めましょう。