普段の生活で、自宅の庭を見るたびに少し物足りなさを感じていませんか?
小さく限られたスペースであっても作れるのが坪庭です。
この記事では坪庭の特徴とメリット・デメリットを解説していき、記事後半では坪庭の作り方も紹介していくので最後までご覧ください。
こんにちはテツです。
執筆者
- 経歴:外構専門店6年・土木職人2年・ハウスメーカー9年
- 資格:1級エクステリアプランナー・2級土木施工管理技士、など
- 現在:外構専門店運営・現役フリーランス
外構や庭をおしゃれにする方法を網羅した記事は、外構をおしゃれにする方法【商品選びからデザインまで網羅中】を参考にどうぞ。
坪庭とは「周りを囲われた小規模な庭」
坪庭のことを理解するために、まず以下の3つを解説していきます。
- 坪庭の概要と特徴
- 坪庭の歴史と文化的背景
- 中庭と坪庭の違い
坪庭の概要と特徴
「坪庭」は、塀や垣根で囲まれた小規模な和風の庭のことを指し、主に町家の中庭や玄関脇などのスペースに配置されます。
囲まれた空間の中には、草木や竹、灯篭、飛び石などが趣向を凝らして配置され、癒しの空間を作り出します。
坪庭の歴史と文化的背景
Wikipediaによると以下の通りです。
「坪」の由来は、平安時代の寝殿造に見られた「壺」と呼ばれる建物に囲まれた前庭であると言われている。坪庭は町家建築が発達する近世前期に生まれた。平安時代の町割りでは、家同士の裏庭は境のない共有スペースだったが、室町時代頃から徐々に塀などで境界を隔てるようになった。
坪庭には灯籠や飛び石など、茶室の庭先と共通するアイテムが配置される場合が多く、その造園思想は茶庭から取り入れられたと考えられる。借景の余地のない坪庭の作庭には、家の中の様々なアングルからの鑑賞を考慮することが求められたが、従来の庭園形式に囚われない自由さもあった。
現代においては、換気や通風といった実用面よりも、その小規模さが日本の住宅事情とマッチしており、気軽な作庭が楽しめることで人気を集めている。
庭 - Wikipedia
中庭と坪庭の違い
中庭
中庭とは、一般的に建物や壁に囲まれ、屋根のない庭のこと。
風通しを良くしたり、プライバシーを守ったりするのに効果的。自然光を室内に取り込むための手段としても使われます。
中庭は様々な用途に適していて、観賞する以外にもBBQを楽しんだり、ペットが自由に遊び回れるスペースに活用したりなど幅広い役割があります。
坪庭
坪庭とは、建物の一角に位置する観賞用の小さな庭のこと。
主に室内から景色を楽しむことを目的としています。
中庭は建物の一部としての機能を果たすのに対して、坪庭は視覚的な美しさと癒しを提供します。
中庭 | 坪庭 | |
サイズ | 広い | 狭い |
位置 | 建物の中心 | 建物の一角 |
役割 | 観賞、風通し、プライバシー、採光 | 観賞、癒し |
坪庭のメリットとデメリット
坪庭を設けることによるメリットが大きい反面、デメリットも存在します。それぞれ解説していきます。
メリット
坪庭には、以下のようなメリットがあります。
坪庭のメリット
- 風通しや採光が良くなる
- 室内の温度調整に役立つ
- リラックスできる空間になる
- 自然を身近に感じられる
- 室内空間を広く見せる
- 住宅のインテリア性を高める
- 日常の満足感が向上
坪庭は、住宅の面積が限られている場合でも、コンパクトに自然を感じることができる空間です。都市部に生活している方や、スペースが限られた環境に住む方にとって、おすすめの庭と言えます。
デメリット
坪庭には、以下のようなデメリットがあります。
坪庭のデメリット
- 維持管理の手間
- 適切な樹木や下草の見分け
- 害虫の発生対策
- プライバシーの対策
- 水はけの検討
坪庭は小さなスペースであり、日当たりが悪い場合が多いため、制約された中での設計が必要です。
大きな窓からのプライバシーを確保するために、塀や垣根をすることも必要です。
樹木が成長することにも考慮しつつ、よく検討しながら計画していきましょう。
和風坪庭の作り方
和風の坪庭は、シンプルで自然の素材を生かしたデザインと、配置を慎重に考える必要があります。
枯山水を坪庭に取り入れても素敵ですよ。
コツは「自然界を模倣」することで、以下の手順で作っていきます。
- 坪庭のレイアウト
- 土壌の準備
- 庭石を配置
- 樹木や下草を配置
- 水の流れを作る(または砂利で演出)
坪庭のデザインで大切な「植物の選択」と「伝統的な日本の装飾品」について以下に解説していきます。
植物の選択
和風の坪庭に植える植物は、以下の特徴があるものを植えると良いです。
- 季節感を表現できるように、季節の花や葉を楽しめるもの
- 日本の伝統的な美意識を表現できるもの
- 手入れが簡単
さらに半日陰の環境であることが多いため、下草類や宿根草の選択幅が広がります。
おすすめの植物には、以下のようなものがあります。
- モミジ
- サツキ
- ツツジ
- シャクナゲ
- アジサイ
- 苔
- ギボウシ
- ツワブキ
など
他にもたくさんあるので、庭木におすすめの樹木【現役エクステリアプランナーの庭木リスト公開】を参考にどうぞ。
伝統的な日本の装飾品
和風坪庭に日本の伝統的な装飾品を取り入れることは、庭に趣を加え、より日本の風情を深める役割を果たします。
例えば以下のような装飾品がおすすめです。
- 灯籠
- 水鉢
- 石組み
- 竹垣
これらの装飾品は、いずれも日本の伝統的な美意識を表現することができます。
洋風坪庭の作り方
洋風の要素である「適切な植物の選択」と「洋風の装飾品の選択」を正しく組み合わせることで、素敵な坪庭を作ることができます。
ウッドデッキやタイルデッキの設置、レンガや枕木などを装飾品として使うことも有効です。
洋風坪庭を作る手順は以下の通りです。
- 坪庭のレイアウト
- 土壌の準備
- タイルやレンガ、枕木などを配置
- 植物の配置
- 装飾品の選択と配置
洋風デザインに大切な「植物の選択」と「装飾品の選択」について以下に解説していきます。
植物の選択
おすすめの植物は多年草。一度植えると毎年花を咲かせる植物なので、ガーデニングの手間を減らします。なかでもハーブは手入れが簡単で、洋風にぴったり。
日当たりが良ければ、オリーブやヤシなど南国の植物も候補です。
ゴツゴツした石を組み合わせたロックガーデンもおすすめですね。
- ローズマリー
- タイム
- ラベンダー
- セージ
- ミント
- オリーブ
- ヤシ
実は和風坪庭で紹介したおすすめ植物も、装飾品との組み合わせしだいで洋風の坪庭にも合います。
洋風の装飾品の選択
洋風の坪庭に、個性ある演出を加えるには以下のような装飾品がおすすめです。
- テーブルやチェア
- ベンチ
- テラコッタの鉢
- 彫像
- ファウンテン
- バードバス
手軽に持ち運べる装飾品が多く、だれでも独自の洋風坪庭を楽しめます。
坪庭の注意点
坪庭を作るときは以下の3つに注意して計画してください。
- 排水対策をする
- 雑草対策をする
- 樹木や下草のメンテナンスをする
排水対策をする
水はけが悪いと、植物の根腐れや害虫が発生する原因になります。
対策をするには、例えば以下のような方法です。
- 地盤に勾配を付ける
- U字溝
- 暗渠排水
DIYでできることや、業者に依頼した方がいいことなど詳しくは、庭の水はけを簡単に改善する方法【DIYで費用1万円以内】で解説しているのでご覧ください。
雑草対策をする
庭に雑草が生えるのは、つきものです。
雑草でボーボーの状態になる前に草取りをしなければ、美観や衛生に悪影響を及ぼします。
そこで、雑草対策としておすすめの方法が防草シートです。防草シートを使うことが、草取りを軽減してくれ、コスパも良し。
防草シートの上から好みの砂利を敷き詰めて、素敵な坪庭を完成させましょう。
≫参考:庭の雑草対策を業者に頼むと費用はいくら?【DIYと比較】
樹木や下草の手入れをする
樹木や下草は定期的な手入れが必要です。
手入れをしないと、過成長したり、病気や害虫の原因になります。
すべての植物には、以下の手入れがあるので必ずしてください。
- 水やり
- 肥料
- 消毒・殺虫
- 剪定
樹木の剪定にはコツがあるので詳しくは、庭木の剪定する時期は?一覧表付き【手が届く所ならDIYもOK】をご覧ください。
まとめ:坪庭の魅力は 小さな空間で大きな可能性を引き出す
坪庭は限られたスペースに作られる小さな庭で、以下のような魅力があります。
- 風通しや採光が良くなる
- 室内の温度調整に役立つ
- リラックスできる空間になる
- 自然を身近に感じられる
- 室内空間を広く見せる
- 住宅のインテリア性を高める
- 日常の満足感が向上
坪庭をうまくデザインすることで、家をより個性的で魅力的な空間にすることができます。また、坪庭を通じて自己表現を他人と共有することでさらなる満足感を得ることができます。
自分の生活に新たな喜びと満足感を取り入れ、豊かな暮らしを送りましょう。