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【新築編】外構の設計をする前に何を測量?【設計初心者向け】

2021年9月19日

【新築編】外構の設計をする前に何を測量?【設計初心者向け】
知りたい人 
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設計初心者

「外構の図面を作りたいけど、現場で何を測量すればいいんだろう?」

正確な外構の図面を作るためには測量が欠かせません。

なぜなら、工事に影響することはもちろん、見積もり金額にも影響します。

この記事では、設計初心者に向けて新築に伴う外構の設計をする時に、事前に何を測量すればいいのかを解説します。

執筆者紹介

こんにちは、テツです。
独立する前は、外構エクステリア専門店→職人→ハウスメーカーという、業界を構成する主な3つの立場を歩んできた珍しい人間です。

記事を読み終えると、測量するポイントが分かり、正確な外構図を作成することができるようになります。

まずは測量しないことで起きる悲劇を知ろう

測量をしないで図面を作ると様々な影響がでます。

例えば以下のような事が現場で起きます。

悲劇の例

  • 土留めの必要性を見落とす
  • 土留めを予想していても必要な高さが確保できていない。
  • 階段を作る段数に違いがでる
  • 排水計画の不備
  • 排水マスや汚水マスがあることで図面通りに納まらない

など

図面通りに工事が進まなくなると、もう一度お客様と打ち合わせする必要がでてきます。

設計ミスが理由となれば、お客様へ迷惑をかけることとなり、信用は減っていくでしょう。

さらに、工事金額にも影響してきます。

追加費用が発生しても、設計ミスとして業者側の負担として当たり前です。

信用と金銭面の両方で損害が生じます。

外構の設計をする前にココを測量しよう

測量するポイントは以下の3つです

①敷地と建物の高低差
②マス関連の位置を採寸
③その他現場に応じた測量

それぞれ解説していきます。

①敷地と建物の高低差を測量する

高低差を測量するための道具は、高価ではありますがレーザーレベルが便利です。

僕も愛用していて、一人で測量することができます。

高低差を測量する基本の箇所は以下です

  • 道路境界ピン(側溝)
  • 隣地境界ピンまたは杭付近の地盤および土留め
  • ポーチ、階段
  • 建物の基礎(水切りでも可)
  • 掃き出し窓のサッシ下

障害物があって一度に測量できない場合は、レーザー本体を移動しなければいけませんが、共通した基準箇所を決めつつ測量すればOKです。

②マス関連の位置を採寸

マス関連とは以下です。

  • 排水マス
  • 汚水マス
  • 量水器

マスは点検の為にフタを開けることがあります。

マスを埋めたり、マスの上に物を置いて隠すことは避けなければいけません。

やむを得ず、例えばウッドデッキを設置したい場合はウッドデッキに点検口を設ける計画が必要です。

マスの位置を採寸するときは、道路からの距離、建物からの距離、隣地境界からの距離などを採寸し、図面に位置を落とし込むことができればOKです。

③その他現場に応じた測量

現場ごとの状況に応じて測量した方がいい箇所の例は以下です。

  • 電柱、支線の位置
  • 既にある構造物の大きさや高さ、
  • 隣地境界の塀の高さ
  • 隣の建物やおおよその窓の位置
  • 隣の敷地との高低差
  • 側溝幅(グレーチング等の必要性)

など

敷地内だけでなく隣地の状況にも目を向けると、より精度の高い設計ができます。

測量した結果を図面に落とし込む

測量結果を図面に落とし込むと次のような図面になります。

測量結果1

マスや構造物の位置を図面に落とし込むことは単純作業ですが、高低差を図面に表示するためには、さらに分かりやすく計算する必要があります。

計算といっても足し算・引き算だけなので簡単です。

以下の手順で計算していきます。

  • 手順①:ベンチマーク(BM)の場所を決める
  • 手順②:ベンチマーク(BM)の測量した数値を±0に書き換える
  • 手順③:全ての測量箇所の数値をベンチマーク(BM)からの高低差として表示する

それぞれ解説していきます。

手順①:ベンチマーク(BM)の場所を決める

測量した箇所のうち、一番低い場所をベンチマーク(BM)に設定すると図面として分かりやすいです。(※例外あり)

道路境界ポイントやマンホールをベンチマーク(BM)に設定することが多いです。

無い場合は、道路の一部など分かりやすくて動かないものをベンチマーク(BM)にします。

BM決め

注意:測量結果そのままの数値だと、数値の大きい方が「高さが低い」ので混同しないように

手順②:ベンチマーク(BM)の測量した数値を「±0」に書き換える

ベンチマーク(BM)を±0という数値に置き換えるだけです。

BM=±0

手順③:全ての測量箇所の数値をベンチマーク(BM)からの高低差として表示する

全ての測量数値をBMからの高低差として計算していきます。

どちらが高いか低いかを混同してしまいがちなので注意です。

基本は以下の計算式で大丈夫です

計算式

(ベンチマークの測量数値)-(測量箇所の数値)=図面に表示するレベル

レベル計算

最後は計算したレベルの数値に書き換えればOKです。

これで水勾配の計算もしやすくなりました。

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まとめ

この記事では外構の設計をする前の測量方法を解説してきました。

まとめると以下です。

メモ

測量しないことで起きる悲劇

  • 信用と金銭面の両方で損害が生じる。

測量する箇所

  • 敷地と建物の高低差
  • マス関連の位置
  • その他現場に応じて

測量結果を図面に落とし込む

  • レベルを表示する方法を解説

以下の記事では図面の作り方も参考になります。

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テツ

このブログは外構の情報発信をしています。外構専門店6年、土木職人2年、ハウスメーカー9年、その後独立しました。今までの経験を活かしてここでしか読めない外構の専門的な内容を発信することをコンセプトにしています。エクステリアコンテスト入賞ちらほら。/1級エクステリアプランナー/2級土木施工管理技士/2級造園施工管理技士/ブロック塀診断士/

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