収納場所を増やしたくて物置が欲しい
物置を設置する前にいくつか注意点があります。例えば、設置場所の注意点や建築基準法の確認。失敗すると大きな問題を引き起こす可能性があります。
この記事では外構のプロとしての経験を生かし、物置の設置場所で失敗しないためのポイントと注意点を解説していきます。
こんにちはテツです。
執筆者
- 経歴:外構専門店6年・土木職人2年・ハウスメーカー9年
- 資格:1級エクステリアプランナー・2級土木施工管理技士、など
- 現在:外構専門店運営・現役フリーランス
物置の設置場所で注意すべきこと
物置を設置する場所を選ぶ際には、注意すべきポイントがいくつかあります。各物置メーカーから設置場所に関しての情報が提供されていますが、現場ならではの見落としがちなポイントを紹介していきます。
風通しや日当たりに注意する
物置は、風通しや日当たりによって湿気やカビの原因になることがあるため十分に注意が必要です。
特に木造の物置を風通しや日当たりが十分でない場所に設置すると、湿気やカビの発生リスクが高まるため適切な場所を選びましょう。
積雪地域では屋根に付けたソーラーパネルからの落雪に注意
積雪地域では落雪のある屋根の下に物置を設置しないことは原則ですが、ソーラーパネルのある屋根の近くはさらに注意が必要です。
屋根に雪止めを付けることで解決することができるという意見もありますが、ハウスメーカーによっては屋根に負担をかけないように、意図的に雪止めを付けない場合もあります。
屋根からどのくらい離れていれば安全か
雪氷防災センターから発表されている太陽電池パネル上の雪の滑走実験(PDFファイル)のなかで、2階のソーラーパネルの付いた屋根からどのくらいまで雪が飛んでいくかシミュレーションしたデータがあります。
結果、おおよそ4mまで雪が飛んでいきます。
雨水マスと汚水マスの上に設置しない
雨水マスや汚水マスは、フタを取って中を点検をすることができるように、上に物置を設置してはいけません。
事前にマス類の位置を採寸しておくことが大切で、それにより必然的に物置のサイズも制限される場合もあるので注意してください。
量水器も例外なく位置の確認が必要です。
建築基準法や民法などの法律・条例について確認する
物置を設置する前には、まず建築基準法や民法などの法律・条例などについて確認しましょう。
これらの法律に違反すると、撤去命令や建築不許可などの厳しい措置を受けることがあります。具体的には、市区町村や建築士などの業者に確認してみてください。
建築基準法に適合しているか確認する
物置を設置する際には、建築基準法に適合している必要があります。物置は建築物ではないと思われがちですが、物置も建築物として扱われます。
ということは以下の条件に当てはまれば、物置といえど事前に確認申請の提出が必要になってきます。
- 防火地域、準防火地域以外で10㎡を超える増築、改築、移転
- 防火地域、準防火地域内での建築
確認申請の必要性は10㎡を超える物置かどうかがひとつの判断ですが、「防火地域・準防火地域」であれば10㎡以下でも確認申請の提出は必須です。
ただし、以下の条件に当てはまる小さい物置は建築物ではないとされるので確認申請は必要ありません。
- 奥行きが1.0mを超えないもの
- 高さが1.4mを超えないもの
物置の位置は隣地境界から50cm離さないとダメ?
民法には建築物は隣地境界から50cm離さなければいけないとされています。
物置も建築物なので厳密にいえば50cm離す必要がありますが、お隣さんの了承があれば境界ギリギリまで設置しても大丈夫です。
実はこの50cm離すという民法は「慣習」の方が優先されるので、例えばお隣さんがすでに境界ギリギリに設置していた場合などは、こちら側もきっちり守らなくてはいけないという事はありません。
物置の設置場所によっては隣人とのトラブルもある
物置の設置場所が隣人に迷惑をかけることがあるため、状況によっては事前に同意を得ることも必要です。例えば、大きな物置が日当たりを遮ることや、境界線に近すぎる事で発生するトラブルもあります。
物置の固定方法と注意点
物置を設置する場合、地震や強風などの自然災害に備え、しっかりと固定することが大切です。以下に、代表的な固定方法を2つ紹介します。
株式会社田窪工業所【公式】さんからもyoutubeで解説されているので以下を参考にどうぞ。
地面にアンカーボルトで固定する方法
物置を地面に直接固定する場合、アンカープレートを使います。
アンカープレートを地面に埋め込んでからコンクリートで固め、物置とアンカープレートをしっかりと固定する方法です。
土間コンクリートを基礎として物置を固定する方法
まず物置よりも少し広めの土間コンクリートをします。
土間コンクリートが乾いたら物置を設置して、オールアンカーを使って土間コンクリートと物置を固定します。
既にコンクリートがしてあるところに物置を設置する場合は、オールアンカーを直接コンクリートに打ち込めばOKです。
固定方法の選び方と注意点
物置を固定する方法として、地面にアンカープレートで固定する方法と、土間コンクリートを基礎として物置をオールアンカーを使って固定する方法をご紹介しました。どの固定方法を選ぶかは、地盤の状況などを考慮して決める必要があります。
特に強風による転倒を避けるため、しっかりと固定することが大切です。
おすすめの物置メーカーの紹介と選び方のポイント
以下に、僕が実際に見て触れてきたおすすめの物置メーカーを紹介していきます。物置を選ぶポイントも合わせて解説していきますよ。
おすすめの物置メーカー
定番の物置とおしゃれな物置に分けてご紹介していきます。
定番の物置メーカー
おしゃれな物置メーカー
おしゃれな物置は以下の記事も参考にどうぞ。
物置の選び方と注意点
物置の選び方と注意点について、具体的なポイントをご紹介します。
必要な収納スペースを考慮する
使用目的や収納する物の種類によって必要な収納スペースは異なってきます。物置を選ぶ時は、必要なスペースをしっかりと把握し、それに合ったサイズを選ぶようにしましょう。
収納する物は、多くの方が以下の物で共通しているので参考にどうぞ。
- 趣味のもの
- お子様関連
- 自転車
- タイヤ
- 段ボールなどゴミの一時保管
設置場所に合わせる
物置を設置する場所の広さや形状に合わせて、適切な物置を選ぶことも重要です。例えば、狭いスペースに設置する場合は、コンパクトなタイプを選んで通路も同時に確保できるなど、周囲の環境に合わせて選ぶようにしましょう。
見た目やデザイン
物置は見た目も重要です。特に人目に付きやすい場所であれば、おしゃれな物置を是非検討したいですね。自宅や庭に調和するようなデザインの物置を選ぶことで、より美しい外観を演出することができます。
以上のポイントを考慮し、自分に合った物置を選びましょう。
物置を設置できる業者探し
物置を設置できる業者は以下の通りです。
- 外構業者
- ハウスメーカー
- ホームセンター
- ネット依頼
それぞれの特徴は以下の通りです。
外構業者やハウスメーカー
物置を設置する際には、この記事で解説したような事も含めて色々アドバイスをしてもらえます。
メリット
物置以外のことも合わせて色々相談できる
デメリット
会社によって金額の差が大きいので相見積もりを取りましょう
ホームセンターやネット依頼
物置のサイズや種類も決まっていて、設置場所も明確であればオススメです。
メリット
物置の仕入れと販売に特化しているので金額を抑えることができる
デメリット
事前下見に対応していない所が多く、色んなアドバイスを求めるにしても物足りなさを感じるかもしれません
ネット依頼は、数多くあるサイトのなかでもエクスショップがオススメ。種類が豊富ですし、見積りシミュレーションを簡単にすることができます。
\(無料)見積もりシミュレーションもできる/
まとめ:たかが物置とあなどるなかれ
この記事では、物置の設置についての注意点や選び方について解説してきました。
まとめると以下です。
風通しや日当たりに注意しましょう。マス類の位置確認も必要です。積雪地域では屋根からの落雪を考慮し、屋根の向きやソーラーパネルの位置に注意しましょう。
物置は建築物として扱われます。一定の条件に当てはまれば確認申請の必要があるので業者に依頼しましょう。
転倒防止のために固定する必要があります。方法を2つ紹介してきました。
定番の物置メーカーとおしゃれな物置メーカーを紹介してきました。
選び方のポイントも参考にしつつ、自分に合った物置を選びましょう。
以上が、物置の設置場所で失敗しないためのポイントと注意点です。