手間のかからない生垣で、洋風の家の外まわりをやわらかく見せたい。
そう考えても「毎月切らないといけないのでは」「虫が出たら手に負えない」と不安になり、樹種を決めきれない方は多いと思います。
先にお伝えすると、まったく手入れのいらない生垣はありません。
ただ、樹種と高さの選び方しだいで、刈り込みを年1〜2回程度まで減らしやすくなります。
この記事では、外構の実務に20年以上たずさわってきた立場から、洋風の外観になじみやすく手入れの回数を抑えやすい生垣を8種選びました。
日当たり・耐寒性・成長の速さ・刈り込み回数の4つの観点で比べています。
樹種ごとの「手間がかかりやすいポイント」も、隠さずに書きました。
迷ったときの目安は、次のとおりです。
- 刈り込みの回数をとにかく減らしたい:ヒイラギモクセイ、ヒメシャリンバイ
- 日当たりがよく、葉色で洋風に見せたい:トキワマンサク(銅葉)、シルバープリペット
- 北側や建物の陰に植えたい:マサキ、ヒメシャリンバイ(明るい半日陰まで)
- 雪の多い寒い地域に住んでいる:ニオイヒバ系のコニファー
生垣だけでなく庭木全体から候補を探したい方は、生垣以外の庭木も含めて、目的別に樹種を選べるリストもあわせて参考にしてください。
なお、本文の耐寒性・成長速度・費用はいずれも一般的な目安です。
品種や植える場所の条件、地域によって差が出る点はご了承ください。
こんにちはテツです。

執筆者
- 経歴:外構専門店6年・土木職人2年・ハウスメーカー9年
- 資格:1級エクステリアプランナー・2級土木施工管理技士、など
- 現在:外構専門店運営・現役フリーランス
手間のかからない生垣を選ぶ3つの基準
生垣の手間は、ほとんどが「刈り込み」「病害虫への対応」「伸びすぎの修正」の3つから生まれます。
この3つを減らせるかどうかは、次の基準で樹種を見ると見極めがつきます。
基準1|成長がゆるやかな樹種を選ぶ
1年で30cm以上伸びる樹種は、形を保つために年2〜3回の刈り込みが必要になりがちです。
成長がゆるやかな樹種なら、年1回の刈り込みでも形がくずれにくくなります。
植えた直後に早く目隠しになってほしい気持ちはわかります。
ただ、数年後の手入れを考えると、伸びの遅い樹種ほど刈り込みの回数を減らせます。
基準2|病害虫が比較的つきにくい樹種を選ぶ
生垣は同じ木を並べて植えるため、病気や虫が出ると列全体に広がりやすい性質があります。
病害虫が比較的つきにくいとされる樹種を選ぶと、薬剤散布や虫の駆除にかける時間を減らしやすくなります。
ただし「虫がまったくつかない木」はないので、年に数回は葉の裏をのぞく習慣をつけておくと早めに気づけるでしょう。
基準3|仕上げたい高さに合った樹種を選ぶ
目的の高さより大きく育つ樹種を低く抑えようとすると、そのぶん刈り込みの量も回数も増えます。
まず生垣の目的から高さを決め、その高さで落ち着きやすい樹種を選びましょう。
| 目的 | 高さの目安 | 向いている樹種の傾向 |
|---|---|---|
| 境界の区切り・足元の彩り | 0.6〜1.0m | 成長がゆるやかな低木(ヒメシャリンバイ等) |
| 道路からの視線をやわらげる | 1.0〜1.4m | 刈り込みに強い常緑樹 |
| 立った人の目線を遮る | 1.5〜1.8m | 葉が密に茂る常緑樹・コニファー |
高さが1.5mを超えると、脚立なしでは上面を刈れなくなり、作業の負担が一気に増えます。
手間を抑えたいなら、1.2m前後に抑えてフェンスと組み合わせる方法も検討してみてください(後半で詳しく紹介します)。
生垣の手間は年間の刈り込み回数で考える
「手間がかからない」と言っても、実際にどれくらいの作業量なのかは、数字にするとイメージがわきやすいものです。
ここでは刈り込み回数と作業時間の目安を見ていきます。
樹種ごとの刈り込み回数の目安
手入れの量は、ほぼ「年に何回刈るか」で決まります。
| 刈り込み回数 | 該当する樹種(本記事の8種) | 放置した場合の伸び方の目安 |
|---|---|---|
| 年1回程度 | ヒイラギモクセイ、ヒメシャリンバイ、ニオイヒバ系コニファー | 1年で10〜20cm前後 |
| 年1〜2回 | マサキ、トキワマンサク、ドドナエア | 1年で20〜40cm前後 |
| 年2〜3回 | シルバープリペット、アベリア | 1年で40cm以上伸びることもある |
伸び方は日当たりや肥料の量で大きく変わるので、あくまで比較のための目安として見てください。
延長10mの生垣を刈る年間の作業時間
たとえば延長10m・高さ1.2mの生垣を、電動のヘッジトリマー(生垣用の電動バリカン)で刈る場合を考えてみます。
現場の感覚では、側面と上面を刈って刈りカスを片づけるまで、1回あたり1〜2時間ほどが目安です。
年1回の樹種なら年間1〜2時間、年3回の樹種なら3〜6時間と、選ぶ樹種によって作業時間に数倍の差が生まれます。
手ばさみ(刈込鋏)だけで作業すると、さらに時間がかかると考えておきましょう。
延長が5m以上ある場合は、ヘッジトリマーを1台用意しておくと作業がかなり楽になります。
刃の長さや本体の重さ、コード式か充電式かで使い勝手が変わるため、生垣の延長と高さに合うものを見比べてから選ぶと失敗が少なくて済みます。
刈り込みの時期の考え方
刈り込みの基本は、春の新芽が伸びて落ち着いた5〜7月ごろと、秋の9〜10月ごろの2回です。
年1回で済ませる樹種なら、伸びが落ち着いた初夏に1回刈る形が扱いやすいでしょう。
花を楽しむ樹種は、花芽ができたあとに刈ると翌年の花が減ることがあります。
樹種ごとの細かい適期は、刈り込みに適した時期を樹木別に確かめられる一覧で確認してから作業すると、失敗を減らせます。
洋風の家に合う手間のかからない生垣8選
ここからは、洋風の外観になじみやすく、手入れの回数を抑えやすい8種を日当たりの条件ごとに紹介します。
それぞれ「手間がかかりやすいポイント」もあわせて書いているので、自宅の環境と照らし合わせてみてください。
トキワマンサク|銅葉が白い外壁に映える定番(日なた〜半日陰)
トキワマンサクは、外構の現場で生垣の定番として使われることの多い常緑樹です。
特に葉が赤紫色になる「ベニバナトキワマンサク」は、白やグレーの外壁と組み合わせると洋風の雰囲気が出やすくなります。
春にはひも状の花が咲き、ピンク系の品種なら花の時期に外まわりがぱっと華やかな印象に変わるでしょう。
刈り込みに強いので、四角く整えたシンプルモダン風の生垣にも向いています。
手間がかかりやすいポイントは次のとおりです。
- 成長はやや早めで、放置すると2mを超えることもある
- 花後すぐ(5〜6月)に刈らないと、翌年の花が減りやすい
- 寒冷地では冬に葉が傷むことがあるため、植える前に地域の最低気温を確かめたい
シルバープリペット|明るい斑入りの葉で南欧風に(日なた)
シルバープリペットは、緑の葉に白い縁取りが入る明るい葉色が特徴です。
南欧風やナチュラルな外観と相性がよく、生垣にしても重たい印象になりにくいのが魅力でしょう。
刈り込みに強く丈夫な樹種として知られており、多少切りすぎても新しい枝が出やすい点も扱いやすさにつながります。
注意したいのは、成長の早さです。
- 伸びが早く、年2〜3回の刈り込みが必要になりやすい
- 寒い地域では冬に葉を落とす「半常緑」の性質がある
- 冬も目隠しを保ちたい場所には向きにくい
刈り込み作業そのものが苦にならない方なら、葉色の明るさで選ぶ価値は十分あります。
ドドナエア|銅葉とすっきりした樹形が人気(日なた)
ドドナエアは、細長い銅葉がモダンな外観によく合うことから、ここ数年で人気が高まった樹種です。
ただ、「ドドナエア 後悔」と検索する方がいるように、植えてから困るポイントもはっきりしています。
- 根が浅いとされ、強風で傾いたり倒れたりしやすい(植え付け時は支柱を立てておきたい)
- 寒さにやや弱く、強い霜や氷点下が続く地域では葉を落としたり枯れたりすることがある
- 成長が早めで、下の枝が抜けて足元がスカスカになりやすい
関東以西の平野部で、日当たりと風通しのよい場所なら、年1〜2回の刈り込みで洋風の生垣として楽しみやすい部類です。
寒冷地や海沿いの風の強い場所では、ほかの樹種を優先したほうが手間は少なく済みます。
アベリア|長く咲く花で生垣を明るくする(日なた〜半日陰)
アベリアは、初夏から秋まで小さな花を次々に咲かせる丈夫な低木です。
ここでは、刈り込んで列に仕立てる「花の咲く生垣」としての使い方を紹介します。
乾燥や排気ガスにも比較的強く、道路沿いの境界に植えても育ちやすい樹種です。
手間の面では、次の点を覚えておきましょう。
- 成長が早く、年2〜3回刈らないと枝があちこちに飛び出しやすい
- 寒い地域では冬に葉を落とすことがある
- 花の時期はハチが寄ってくるので、玄関アプローチ沿いは避けたい方もいる
ヒイラギモクセイ|トゲのある葉で防犯にも役立つ(日なた〜半日陰)
ヒイラギモクセイは、成長がゆるやかで刈り込みが年1回程度で済みやすい常緑樹です。
濃い緑の葉が密に茂るため、白やベージュの外壁の前に植えると輪郭がくっきり見えます。
葉の縁にトゲがあり、人が入り込みにくい生垣になるのも利点のひとつです。
秋には小さな白い花が咲き、ほのかな香りも楽しめます。
植える前に押さえておきたい点も挙げておきます。
- トゲがあるので、刈り込みや落ち葉の片づけには厚手の手袋が必要
- ヘリグロテントウノミハムシという小さな甲虫に葉を食べられることがある
- 成長が遅いぶん、目隠しの高さになるまで数年かかる
マサキ|日陰と刈り込みに強い実用派(半日陰〜日陰)
マサキは、北側や建物の陰など日当たりの悪い場所でも育ちやすい常緑樹です。
刈り込みにもよく耐えるので、昔から生垣に使われてきました。
洋風の外観に合わせるなら、葉に黄色や白の斑(ふ)が入る品種を選ぶと、暗くなりがちな日陰の生垣が明るい印象になります。
ただし、マサキは「病害虫が少ない樹種」とは言い切れません。
- うどんこ病(葉が白い粉をふいたようになる病気)が出ることがある
- 春〜秋にユウマダラエダシャク(シャクトリムシの仲間)の幼虫が発生し、葉を食べられることがある
- 風通しが悪いと病害虫が出やすくなるため、内側の枝も適度にすく必要がある
日陰に強いという長所は大きいので、年に数回葉の様子を見回る前提で選ぶとよいでしょう。
ヒメシャリンバイ|低めの生垣で伸びがゆるやか(日なた〜半日陰)
ヒメシャリンバイは、成長がかなりゆるやかで、高さ1m前後の低い生垣に向いている常緑樹です。
日なたから半日陰まで幅広い環境で育ちやすく、潮風にも比較的強いとされています。
5月ごろに白い小花が咲き、丸みのある葉がナチュラルな洋風の外観になじみます。
刈り込みは年1回程度で形を保ちやすく、手入れの回数を減らしたい方には特に候補に入れてほしい樹種です。
気をつけたいのは次の点です。
- 伸びが遅いので、目隠しの高さには向きにくい
- 寒冷地での地植えには向かないことが多い
- 斑点状の病気(ごま色斑点病など)が出ることがあるため、密植しすぎない
ニオイヒバ系コニファー|寒冷地でも使いやすい(日なた)
ニオイヒバ系のコニファー(「エメラルド」などの品種)は、円すい形の整った樹形で、北欧風やモダンな外観と好相性です。
寒さに強い品種が多く、北海道や東北でも生垣に使われています。
もともと形が整いやすいため、刈り込みは年1回、伸びた部分を軽く整える程度で済むことが多いでしょう。
ただし、コニファーならではの注意点もあります。
- 葉のない古い枝まで深く切ると、そこから新芽が出にくく茶色いまま戻らないことがある
- 内側が蒸れると葉が枯れ込みやすいので、株と株の間隔を詰めすぎない
- 雪の重みで枝が開くことがあるため、積雪地では冬前にひもで軽く束ねておく
8種の比較早見表
8種の特徴を一つの表にまとめました。
自宅の日当たりと、許容できる刈り込み回数から候補をしぼり込んでみてください。
| 樹種 | 日当たり/耐寒性の目安 | 成長/刈り込み回数 | 洋風に合う見た目 |
|---|---|---|---|
| トキワマンサク | 日なた〜半日陰/中 | やや早い/年1〜2回 | 銅葉と春の花 |
| シルバープリペット | 日なた/中(寒冷地は落葉) | 早い/年2〜3回 | 白い斑入りの明るい葉 |
| ドドナエア | 日なた/弱め | やや早い/年1〜2回 | 細長い銅葉 |
| アベリア | 日なた〜半日陰/中(寒冷地は落葉) | 早い/年2〜3回 | 初夏〜秋の小花 |
| ヒイラギモクセイ | 日なた〜半日陰/中 | 遅い/年1回 | 濃い緑とトゲのある葉 |
| マサキ | 半日陰〜日陰/中 | 中程度/年1〜2回 | 斑入り品種で明るく |
| ヒメシャリンバイ | 日なた〜半日陰/中〜弱め(寒冷地は不向き) | 遅い/年1回 | 丸い葉と白い小花 |
| ニオイヒバ系コニファー | 日なた/強い | 遅め/年1回 | 円すい形の樹形 |
耐寒性は「強い=北海道・東北でも使われる」「中=関東〜東北南部程度」「弱め=関東以西の平野部向き」をおおまかな目安にしています。
候補の樹種がしぼれたら、生垣用の苗の樹高や本数単位の価格を、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングで見比べられます。
延長10mなら苗は25〜30本ほど必要になるため、1本あたりの価格だけでなく、本数をそろえた合計額で比べておくと予算を立てやすいでしょう。
洋風に見せる植え方のコツ
同じ樹種でも、外壁との組み合わせや植え方しだいで、洋風に見えるかどうかが変わります。
外構の打ち合わせでよくお伝えしているコツは、次の3つです。
外壁の色と葉の色を組み合わせる
外壁と葉の色にコントラストをつけると、生垣が「背景」ではなく「デザインの一部」として見えてきます。
| 外壁の色 | 合わせやすい葉の色 | 樹種の例 |
|---|---|---|
| 白・アイボリー | 銅葉・濃い緑 | ベニバナトキワマンサク、ドドナエア、ヒイラギモクセイ |
| グレー・黒 | 明るい緑・斑入り | シルバープリペット、斑入りマサキ |
| ベージュ・茶系 | 中間的な緑 | ヒメシャリンバイ、ニオイヒバ系コニファー |
2〜3種類を混ぜて植える
1種類だけをずらりと並べると、病気や虫が出たときに列全体へ広がりやすくなります。
2〜3種類を交互に植える「混ぜ垣」にすると、被害を一部にとどめやすく、見た目にも変化が出ます。
組み合わせるときは、成長の速さが近い樹種どうしを選ぶと、刈り込みの時期をそろえやすいのも利点です。
足元は防草シートと砂利で草取りを減らす
生垣の手間は刈り込みだけでなく、根元に生える雑草の処理にもかかります。
植え付けのときに株の周りへ防草シートを敷き、上から砂利やバークチップをかぶせておくと、草取りの回数を減らしやすくなります。
白っぽい砂利なら、洋風の外観とも合わせやすいでしょう。
生垣とフェンスの費用・手間の比較
「手間を減らしたいなら、最初からフェンスにしたほうがよいのでは」と迷う方もいるでしょう。
ここでは10年単位の費用と、両方を組み合わせる方法を整理します。
延長10mで比べた10年間の費用の目安
延長10mの境界を、高さ1.2m前後で仕切る場合の概算を表にまとめました。
| 項目 | 生垣(業者に植栽を依頼) | アルミ目隠しフェンス |
|---|---|---|
| 初期費用の目安 | 8万〜15万円前後 | 20万〜40万円前後 |
| 毎年の手入れ | 刈り込み年1〜3回 | ほぼ不要(汚れが気になれば水洗い) |
| 剪定を外注した場合の10年分 | 10万〜60万円前後(年1〜3回) | ほぼ0円 |
| 10年間の合計の目安 | 18万〜75万円前後 | 20万〜40万円前後 |
金額は、植栽費1mあたり8,000〜15,000円、剪定1回1mあたり1,000〜2,000円で計算した概算です。
フェンスは商品のグレードや基礎の方法、既存ブロックの撤去の有無で大きく変わります。
刈り込みを自分でおこなうなら、生垣の10年分の費用は道具代程度に収まります。
業者に毎年剪定を頼む前提だと、10年ほどでフェンスと同じかそれ以上の費用になることもあります。
低めの生垣とフェンスを組み合わせる
手間と見た目のバランスを取りやすいのが、フェンスで目隠しを確保し、その手前に1m前後の低い生垣を植える方法です。
生垣を低く抑えられるので、脚立を使わずに刈り込みができ、作業の負担がかなり軽くなります。
フェンスの硬い印象を緑がやわらげてくれるため、洋風の外観ともなじみやすい組み合わせです。
フェンス側の素材選びに迷ったら、洋風の外観になじみやすい木目調フェンスの選び方も参考になります。
延長が短い場所は中木の単植で目隠しする
隠したいのが「リビングの窓の前だけ」のように一部分なら、生垣にする必要はないかもしれません。
列にして植える生垣は延長が長いほど刈り込みの手間が増えるため、範囲が狭い場合は常緑の中木を数本植えるほうが管理は楽です。
植える本数を減らせるので、初期費用も抑えやすくなります。
具体的な樹種と配置の考え方は、数本の常緑の中木でポイント的に視線を遮る方法で紹介しています。
植える位置と隣家への配慮
生垣は年々大きくなるため、植える位置を誤ると隣家との境界で問題になりがちです。
植える前に、次の点を確認しておきましょう。
境界から離して植える
生垣を境界ぎりぎりに植えると、数年で枝が隣の敷地へはみ出し、自分の側から刈れない部分も出てきます。
植える位置は、育ったときの枝の張り出し(幅の半分)に、刈り込み作業のスペースを足したぶんだけ境界から離すのが基本的な考え方です。
高さ1.2m前後の生垣なら、境界から株の中心まで40〜50cm程度を一つの目安にしてください。
2023年の民法改正で越境した枝の扱いが変わった
2023年4月に施行された改正民法233条により、隣地から越境してきた枝の扱いが変わりました。
これまでは、越境した枝は木の所有者に切ってもらうよう求めるのが原則でした。
改正後は、次のような場合に、越境された側が自分で枝を切り取れるようになっています。
- 木の所有者に切るよう求めたのに、相当の期間内に切ってもらえないとき
- 木の所有者がわからない、または所在がわからないとき
- 急いで切らなければならない事情があるとき
つまり、生垣の枝が隣家側へはみ出したまま放置すると、隣の方が自ら切ることもありえるということです。
「相当の期間」は事案によりますが、2週間程度が一つの目安とされています。
関係をこじらせないためにも、境界側は早めに刈り込み、はみ出す前に対処しておきましょう。
植える前に隣家へひと声かける
民法には生垣の植える位置や高さを直接定めた規定はありませんが(地区計画や建築協定で決まりがある地域もあります)、日当たりや落ち葉は隣家に影響します。
植える前に「この位置にこのくらいの高さの生垣を植えます」と伝えておくだけでも、のちのトラブルの芽を摘みやすいものです。
境界まわりで気をつけたい点は、敷地境界に植えるときに隣家と揉めないための注意点にまとめています。
生垣の植え付けを業者に頼む場合の費用
生垣は自分で植えることもできますが、延長が長い場合や土が固い場合は、業者に頼んだほうが仕上がりが安定します。
ここで押さえておきたいのは、費用の目安と依頼先の選び方です。
苗木代と植栽工事費の目安
業者に頼むときの費用の目安を、項目ごとに整理しました。
| 項目 | 費用の目安 | 金額が変わる要因 |
|---|---|---|
| 苗木代(樹高1m前後) | 1本1,500〜4,000円前後 | 樹種・高さ・本数 |
| 植栽工事費(苗木代込み) | 1mあたり8,000〜15,000円前後 | 土壌改良・支柱・残土処分の有無 |
| 剪定の外注費 | 1mあたり1,000〜2,000円前後(1回) | 高さ・刈りカスの処分費 |
1mあたりの本数は2.5〜3本(株の間隔30〜40cm)が一般的なので、延長10mなら苗木はおよそ25〜30本が必要です。
植える場所の土が固い・石が多いといった場合は、土の入れ替えや改良の費用が別途かかります。
剪定は1mあたりの単価とは別に、出張費や最低料金を設けている業者も少なくありません。
外構工事とまとめて見積もりを取る
生垣の植え付けは、フェンスや砂利敷き、防草シートとセットで頼むのがおすすめです。
職人の手配や重機の移動が1回にまとまるため、別々に頼むより費用を抑えやすくなります。
また、依頼先によって植栽の得意・不得意があります。
同じ条件で2〜3社に見積もりを取り、苗木の樹種・高さ・本数まで書かれているかを見比べましょう。
「植栽一式」とだけ書かれた見積もりは、何の木を何本植えるのかがわからないので、内訳を出してもらうよう頼んでください。
依頼先を効率よく集めたい方は、生垣の植え付けやフェンス工事をまとめて複数の外構会社に見積もってもらう方法を参考にしてみてください。
一括見積もりのフォームで要望を送るときは、植えたい樹種の候補と生垣の延長・高さ、フェンスや防草シートもまとめて頼みたいかを書き添えておくと、各社の見積もりを同じ条件で見比べやすくなります。
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生垣でよくある質問
生垣を検討している方からよく聞かれる質問に答えます。
1mあたりに植える本数の目安
一般的には、1mあたり2.5〜3本(株と株の間隔30〜40cm)が目安です。
早く密にしたい場合は間隔を詰めたくなりますが、詰めすぎると内側が蒸れて病害虫が出やすくなります。
コニファーのように横に広がる樹種は、50cm前後と広めに取ってください。
支柱の要否
植え付けから根が張るまでの1〜2年は、竹や丸太の支柱で株を固定しておくと安心して育てられます。
特にドドナエアのように根が浅い樹種や、風の強い場所では支柱を外さないようにしましょう。
生垣の補助金
自治体によっては、ブロック塀を撤去して生垣にする場合や、道路沿いに生垣を新設する場合に助成金を出している例があります。
対象となる条件や金額は自治体ごとに異なるので、工事の前にお住まいの市区町村の窓口やホームページで確認してください。
寒冷地で選びやすい樹種
本記事の8種の中では、ニオイヒバ系のコニファーが寒冷地で特に使いやすい樹種です。
ほかにも、イチイやイボタノキといった寒さに強い樹種が、北海道などで生垣によく使われています。
ドドナエアは寒さに弱め、ヒメシャリンバイも寒冷地には向きにくいため、雪の多い地域では避けたほうが無難です。
まとめ|手間は「樹種×高さ×延長」で決まる
手間のかからない生垣づくりは、刈り込み回数の少ない樹種を選び、高さを抑え、延長を必要な範囲にとどめることから始まります。
最後に、この記事のポイントを振り返ります。
- 刈り込みを年1回程度に抑えたいなら、ヒイラギモクセイ・ヒメシャリンバイ・ニオイヒバ系コニファーが候補になる
- 洋風に見せるなら、外壁の色と葉の色にコントラストをつける
- マサキやドドナエアなど、長所の裏に手間がかかるポイントがある樹種は、注意点を理解したうえで選ぶ
- 境界からは40〜50cmほど離して植え、越境しないよう早めに刈る
- 手間をさらに減らしたい場合は、フェンスと低めの生垣の組み合わせや、中木の単植も検討する
植える場所の日当たりと、年に何回なら刈り込みを続けられるかを考えてから、樹種を一つずつしぼり込んでみてください。
植え付けをフェンスや防草シートとまとめて業者に任せたい方は、タウンライフの一括見積もりで複数の外構会社から植栽込みのプランを取り寄せると、樹種や本数の提案まで各社で見比べやすくなります。
\(無料)優良企業に相談する/
※本記事で紹介した費用・耐寒性・成長速度は一般的な目安で、効果や仕上がりを保証するものではありません。



