- 庭に植える木は何がいい?
- 手入れのいらない庭木ってあるの?
この記事では、庭に植えたい樹木から下草に至るまでおすすめを網羅してご紹介していきます。
近年、人気急上昇している南国風の庭に合う植物もご紹介していきますよ。
こんにちはテツです。
執筆者
- 経歴:外構専門店6年・土木職人2年・ハウスメーカー9年
- 資格:1級エクステリアプランナー・2級土木施工管理技士、など
- 現在:外構専門店運営・現役フリーランス
記事前半では、庭木を選ぶポイントや植え方のテクニックを解説し、記事後半でおすすめの庭木リストをご紹介していきます。
記事を読み終えると、庭木選びに迷わなくなるだけでなく、好みに合った適切な量も分かるようになりますよ。
庭木や植物が持つ効果5つ
緑のある庭木や植物があると、華やかで柔らかい印象になることは知られていますが、その他の効果も知ることで、庭木選びの後押しになります。
効果①:癒し
緑のある庭木や植物には以下の様に癒し効果があります。
- リラックス効果
- 目の疲れを癒す効果
- 精神のリハビリ効果
ストレスの緩和が期待されます。
効果②:目隠し
リビング前などの視線を遮りたい場所に庭木を植えることで目隠しになります。塀やフェンスと併用することでより効果的になります。
目隠しに使いたい庭木選びは以下の記事を参考にどうぞ。
≫お庭に常緑樹が欲しい!中木で目隠しに使いたいおすすめ10選
効果③:景観の向上
庭木を植えることで空間に高さと奥行きが加わり、室内から外を眺めたときに庭を広く見せることができます。
道路側から見たときには、建物と庭木の相乗効果があり景観が良くなります。
生垣をすることも、ブロック塀やフェンスにはない自然な仕切りとして景観を向上させることができる方法ですので、詳しく知りたい方は以下の生垣に関する記事を参考にどうぞ。
≫手間のかからない生垣を洋風の家に合わせたい【おすすめ生垣8選】
効果④:日差しを調整
高木が日影を作り、低木や下草は真夏の直射日光による地面からの照り返しを軽減してくれます。
中でも、落葉高木の特徴としては葉が生い茂っている夏場は木陰を作り、落葉している冬場は暖かい日差しを取り入れることができます。リビングやサンルームなどの近くに落葉高木を配置すると良いですね。
効果⑤:情操教育
小さなお子様にとって植物と触れ合う機会を作ることは大切です。
- 育てる
- 実を収穫する
- 感触
など
五感を刺激し、子供の心を育てる効果があります。
初心者でもできる!おしゃれな庭に見える植え方テクニック3つ
プロも実践している、簡単で誰でもできるテクニックを3つ紹介していきます。
テクニック①:根締め
シンボルツリーなど高木の根元に低木や下草を植えることで、色合いやボリュームのバランスがとれ、庭自体も締まります。特に落葉樹の根元は寂しく見えることが多いので根締めとして低木や下草を配置すると良いです。
根締めにおすすめの低木は以下の記事をご覧ください。
≫庭木でおしゃれにしたい?だったら低木も使おう【おすすめ低木17選】
テクニック②:構造物の足元を植物で隠す
フェンスや塀などの構造物のデザインだけでもおしゃれに見せることはできますが、構造物の足元を植物で隠すような組み合わせの方がおしゃれを簡単にできますし、色んな物に応用しやすいです。
以下のアプローチデザイン例をご覧ください。
足元に植えるおすすめの下草は以下の記事を参考にどうぞ
≫初めてでも失敗しない、お庭の印象を変える下草おすすめ10選
テクニック③:庭木は不等辺三角形で配置
高木や中木のような庭木は、2Dでも3Dでも不等辺三角形の連続で配置していくとおしゃれに見せることができます。
どの角度から見ても庭木を眺めることができ、庭を立体的に演出してくれる効果があります。
注意すべき点は、庭木を植える場所は隣との境界に近づけすぎないことです。
成長した枝が隣との境界を飛び越えたり、剪定するにしても隣の敷地に入って作業しなければいけません。詳しくは外構業者から見た敷地の境界で気にすべきこと5つ【トラブル防止へ】で解説しているのでご覧ください。
庭木を選ぶポイント5つ
庭木を選ぶポイントを厳選して5つご紹介します。
何を植えていいか分からない場合や迷ったときに思い出してください。
ポイント①:常緑樹と落葉樹の特徴を知る
庭木は大きく分けて常緑樹と落葉樹に分けられます。まずどちらにするか決めると選択を絞りやすいですよ。
常緑樹の特徴
- 目隠しとしても役立つ
- 落ち葉掃除が楽
- 1年を通して緑がある
- 日陰に強い木が多い
落葉樹の特徴
- 黄葉や新緑など季節を感じる
- 秋の落ち葉掃除が大変
- キレイな花が咲く木が多い
- 季節によって日差しを調整
ポイント②:鑑賞の違いを知る【花・実・樹形など】
木は外見にそれぞれ特徴があり、鑑賞に違いがあります。具体的には以下の通り。
- 花
- 実
- 樹形、枝ぶり
- 幹肌
- 葉の形
- 黄葉、紅葉
果実のなるものは落下したときに汚れてしまうので、玄関周りに配置する場合は注意です。
ポイント③:病害虫からの耐性を知る
庭木にとって病害虫は避けて通れず、全くかからない木を選ぶことはできないと言っていいです。
しかし、病害虫に強い木はあり、ある程度の傾向をつかむことはできます。
それでも地域の環境によって差はあるので、地元に根付いた業者さんに相談するのが好ましいです。
ポイント④:成長速度の違いを知る
木の種類によって成長の早さは違います。
庭木としてよく植えられる木の成長速度は、年間10センチ程度から50センチ程度の間にあるものがほとんどです。
剪定などの管理や植えるスペースに考慮して選びましょう。
さらに成長の早い木はたくさんありますが、街路樹や公園にあるような大木になるので庭木には向いていません。以下の記事ではおすすめしない木としてご紹介します。
ポイント⑤:地域ごとの耐寒性を知る
寒い地域では育ちにくい木があるので注意です。
よく関東を境に、関東以北や関東以南という表現で木の耐寒性が示されています。
以下の記事では寒冷地でも大丈夫な庭木をご紹介していますので参考にどうぞ。
≫シンボルツリーに選びたい!寒冷地でも大丈夫な人気の庭木9選
具体的な地域ごとの耐寒性を知りたい場合は、マニアックな内容ですが寒さに強い植物なのか見分けるコツ【ハーディネスゾーンを知ろう】を参考にどうぞ。
庭木の手入れは最低限3つ
庭木は植えたら終わりではありません。最低限の手入れが以下の通り3つあります。
- 剪定
- 消毒【害虫・病気の対策】
- 落ち葉掃除
自分の体力と時間も考慮しましょう。難しい場合は業者にお任せするのもひとつです。
手入れ①:剪定
庭木は必ず成長するので、年間に1〜2回の剪定を目標にするといいですよ。
剪定する理由は以下です。
- 理由①:美しい形を保つため
- 理由②:庭木の成長をコントロールするため
- 理由③:病気や害虫の発生を軽減するため
剪定する時期や不要な枝に関する記事は以下を参考にどうぞ。
≫庭木の剪定する時期は?一覧表付き【手が届く所ならDIYもOK】
手入れ②:消毒【害虫・病気の対策】
消毒に適した時期があり、概ね以下の通りです。
- 1月~2月:害虫や病原菌が活発になる前に予防の為の消毒
- 3月~5月:被害が大きくなる前の消毒
- 7月~9月:害虫や病原菌が最も活発になる時期のため発生の都度消毒
手入れ③:落ち葉掃除
葉が落ちない木はありません。
常緑樹は葉が落ちないと誤解される場合がありますが、目立たないだけで新芽の入れ替わり時期などに少しずつ葉を落とします。
落ち葉はそのままにしていると、景観を損なうだけでなく病害虫の発生する原因にもなるので定期的に掃除しましょう。
現役エクステリアプランナーの庭木リスト
美しいだけでなく、手入れのしやすい庭木を厳選してご紹介していきます。
寒冷地でも大丈夫な人気シンボルツリー
一本だけでも存在感があり美しい木を集めました。
シャラノキ:落葉樹 幹肌が滑らかで光沢があり、黄褐色の樹幹や枝が和洋を問わず、いずれの庭にも調和して雑木としては最も美しいとされています。 |
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ジューンベリー:落葉樹 寒さには強いが、夏期の乾燥にはやや弱い。1本でも結実性が高く日本でも育てやすい。 |
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ヤマボウシ:落葉樹 花・果実・紅葉と3回楽しめるので庭木として大変人気があります。 |
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エゴノキ:落葉樹 びっしりと枝が垂れるほど咲きそろう花が見事で、和風・洋風の庭によく似合います。 |
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ソヨゴ:常緑樹 雌株は10〜11月に実が赤く熟して、観賞価値が高い。近くに雄株がない場合は、実がならないこともあります。 |
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マンサク:落葉樹 早春に他の木に先駆けて黄色い花を咲かせます。成長が遅いので、狭い場所にも植えることができます。 |
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アオダモ:落葉樹 成長は早くなく成木になるまではかなりの時間を要します。 |
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イロハモミジ:落葉樹 日当たりの良い葉は赤く染まり、日当たりの悪かった葉は黄色くなることが多いようです。 |
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ナナカマド:落葉樹 紅葉が美しく、実は落葉したあともしばらく残っている。 |
目隠しに使いたいおすすめ常緑樹
状況に合わせて複数本を列植するのもアリです。
雌木には10〜11月に実が赤く熟して観賞価値が高い。成長は遅く、耐陰性、耐寒性に優れ人気があります。 |
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雌木には10〜11月に実が赤く熟して観賞価値が高い。成長は遅く、耐陰性、耐寒性に優れ人気があります。 |
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落葉のヤマボウシに比べて小さな花を咲かせます。寒い地域だと葉を落とす習性があります |
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花の香りはギンモクセイより強く、離れた場所からでも感じられるほどです。 |
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日当たりの良い場所または半日陰、水はけの良い土壌を好む |
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西日本の極一部にしか自生せず、生産品もほとんどなく貴重 |
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実を付けるには異品種を2種類以上揃える必要があります |
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寒さに強く耐寒性は氷点下10度くらい。寒い地方では落葉したり、次の年の花付きが悪くなったりします。 |
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成長が早いため、広い場所と剪定する時間を確保したい |
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生長が早く、萌芽力も強いため刈り込みに耐えます。 |
庭に植えるとおしゃれになる低木のおすすめ
落葉低木と常緑低木に分けてご紹介していきます。
落葉低木 | |
オトコヨウゾメは半日陰を好み、極度に乾燥しない適湿を保つ土壌なら育ちます。日当たりが強く乾燥する場所では育ちが悪い。 |
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花や果実を観賞するだけではなく果実を生食やジャムなどに加工して楽しむことができる。 |
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丈夫で育てやすく、生垣として利用されることが多い木ですが、自然樹形としても楽しむことができます。 |
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低木でありながら樹高は2〜3mほどまでに成長します。コンパクトに保ちたい場合は剪定をして整えましょう。 |
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冷涼な気候を好むため西日が当たらない日向に植えましょう。東北北部や北海道、本州の高原地帯が適地です。 |
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ほとんど剪定しなくても形が整うので初心者にもおすすめ。ただし枯れた枝や込み合った枝は剪定します。 |
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自然樹形を楽しむので雑木の庭やナチュラルガーデンによく合い、黄葉がきれいです。剪定は間引く程度に行い、枝を折ったときはとても良い香りがしますよ。 |
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一般的にムラサキシキブとして市場にあるものの多くは、コムラサキであることが多い。 |
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自然な樹形を楽しむ樹木ですが、刈り込みにも強いです。トサミズキに比べ、ヒュウガミズキは小型で扱いやすい。 |
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アロニアの枝はとても細く繊細で、雑木の庭園にぴったりです。枝葉が少ないので群生も美しいですよ。 |
常緑低木 | |
アセビの葉・花・枝には、有毒成分が含まれている。昔はこの有毒成分を害虫駆除のために利用していたようです。 |
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花木のなかでは寿命はそれほど長くなく、20~30年ほどといわれています。 |
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非常に強健なので土質は選ばず半日陰でも耐えます。花付きをよくしたい場合は日当たりの良い場所に植えると良いです。 |
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生育旺盛で成長が早く、放っておくと枝がいろいろな方向に伸びてしまうので毎年こまめに剪定しましょう。 |
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耐寒性、耐陰性に優れているので北向きの土地や半日陰〜日陰の環境が適している。 |
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和風や自然風の庭によく合い、湿気のある半日陰が適している。あまり横に広がらないので狭い場所に植えても良い。 |
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大輪の花を咲かせ、気品ある姿から「花木の女王」と呼ばれています。 |
南国風の庭におすすめの植物
耐寒性が強く越冬が可能で、大きく生長したものはある程度の積雪にも耐えられます。成長しても5〜10mほどの大きさにとどまる。 |
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単幹性のヤシで、露地植えでは高さは15〜20m、幹の太さは50〜60cmになります。 |
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樹高は15 m~25 mで、単独で生長することもありますが、場合によっては同じ根から数本の幹が生え群生します。 |
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低木に分類され生育は遅い(1〜4センチ/年)。成長すれば樹高は8 m以上に達し、その際でも移植が可能な位に強健です。 |
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幹は直立しますが、樹齢を重ねると枝分かれするようになります。日本での樹高は5m前後です。 |
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ユッカは常緑の多年生植物で多くは低木ですが、中には樹高10メートルを超すものもあります。 |
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日本でよく流通していて耐寒性のある品種だと「アオノリュウゼツラン」と「五色万代」に絞ると良いです。 |
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耐寒性は品種によって異なりますが、日本では「鬼面角」がよく流通している。 |
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よく流通している品種のスミエボシは耐寒性が弱く地植えには不向きです。「大丸盆」や「フィカス・インディカ(団扇サボテン)」だとタイミングが良ければ手に入ります。 |
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寒さに強く耐寒性は氷点下10度くらい。寒い地方では落葉したり、次の年の花付きが悪くなったりします。 |
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品種によって耐寒性が異なりますが、耐寒温度は-5℃〜0℃程度です。葉色のカラフルな品種は耐寒性が低いものが多い。 |
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熱帯地方の湿度感を出すにはシダ植物は最適です。 |
初心者でも簡単!庭の印象を変えるおすすめ下草
ハツユキカズラ:多年草(常緑)つる性 草丈:10〜30cm程度 |
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ヤブラン:多年草(常緑) 草丈:〜30cm程度 |
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フッキソウ:常緑小低木 草丈:10~25cm程度 |
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オタフクナンテン:常緑低木 草丈:20~50cm |
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ギボウシ:多年草(冬落葉) 草丈:15~60cm |
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ヒューケラ:多年草(常緑) 草丈:20~80cm |
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マホニアコンフューサ:常緑低木 草丈:1~2m程度 |
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ヤブコウジ:常緑小低木 草丈:10~30cm |
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ツワブキ:多年草(常緑) 草丈:20~50cm |
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リュウノヒゲ:多年草(常緑) 草丈:10~40cm |
家の庭木としておすすめしない木
成長が早く大きくなる木を、一般的な家庭の庭木としておすすめしない木としました。
※桜をリストに挙げていますが、成長が遅く大きくならない品種であれば庭に植えても大丈夫です。詳しくは以下の記事を参考にどうぞ。
≫桜の木を庭に植えてはいけないって本当?【答え:種類による】
サクラ |
ケヤキ |
イチョウ |
メタセコイア |
ユリノキ |
トウカエデ |
プラタナス |
ゴールドクレスト |
ポプラ (セイヨウハコヤナギ) |
クスノキ |
トチノキ |
ニセアカシア(ハリエンジュ) |
まとめ:デザインと手入れのバランスは自分次第
この記事をまとめると以下です。
初心者でも庭をおしゃれにできるポイントを解説しつつ、手入れができるだけ簡単な木を中心に紹介してきました。
とは言え、おしゃれな庭にするためには、植物や木の量が多く必要になるものです。手入れする時間や労力を無理なく確保できる範囲で庭を作りましょう。