外構の計画で考えるべき上位のひとつが駐車場です。一家に車を2台、3台と所有していることもめずらしくありません。
この記事では、「適切な広さを知りたい」「おしゃれにしたい」「費用を知りたい」と思っている方に向けて解説していきます。
こんにちはテツです。
この記事の信頼性
- 経歴:外構専門店6年・土木職人2年・ハウスメーカー9年
- 資格:1級エクステリアプランナー・2級土木施工管理技士、など
- 現在:外構専門店運営・現役フリーランス
外構の駐車場2台・3台の費用
まず基本的なポイントとして、駐車場に必要な具体的な広さや費用に関して押さえましょう。みなさんから一番要望の多い、2台用または3台用の駐車場を作る計画をメインに解説していきます。
駐車場の費用を安く抑える方法として、【外構の駐車場を安く】コンクリート以外で安い方法はあるのかコスパを検証も参考になります。
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駐車に必要な広さを知る
1台分の駐車場スペースに必要な広さは、一般的には15平米(6.0m×2.5m)です。
駐車スペースの広さの基準は国土交通省「駐車場設計・施工指針について」:2.4.2 駐車ますで以下の表の値よりも広くすることを原則として示されています。
設計対象車両 | 長さ | 幅員 |
軽自動車 | 3.6m | 2.0m |
小型乗用車 | 5.0m | 2.3m |
普通自動車 | 6.0m | 2.5m |
以上の基準をもとにすると、外構の駐車場によくある2台・3台用のサイズは以下のようになります。
- 【2台用駐車場】:約30平米(6.0m×5.0m)以上
- 【3台用駐車場】:約45平米(6.0m×7.5m)以上
例えば、ショッピングモールなどの駐車場にある白線は、1台あたり2.5mの幅が多いですよ。白線が2重線の場合はプラス30cmです。
駐車場を設計する時には、車の大きさや台数に応じて適切な広さを確保し、快適な利用ができるようにすることが大切です。
駐車場をコンクリートにする工事費用の相場
コンクリートの駐車場工事費用の相場は、土地の広さや状況によって異なりますが、一般的には次の通りです。
作業内容や見積もりの見方に関する詳細は土間コンクリートの見積書の見方【外構歴20年以上のプロが解説】を参考にご覧ください。
駐車場2台・3台の費用を計算すると以下の通りです。
設計対象車両 | 費用 |
2台用(30平米) | 270,000円~360,000円 |
3台用(45平米) | 405,000円~540,000円 |
駐車場の工事費用は、土地の状況によって変わるため、具体的な費用を知るには業者から見積もりを取りましょう。その際は複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
≫参考:外構見積もりで失敗しない!プロが注意ポイントから業者選びまで徹底解説
駐車場に設置するカーポートの選び方
カーポートを選ぶポイントと注意点を2つ解説していきます。
①:住まいの地域の積雪量に対応したカーポートを選ぶ
カーポートを選ぶ時は、まず積雪量に対応した強度を確認する必要があります。
上記の画像のように、地域によって積雪量はまったく違うためです。
住まいの地域の積雪量に対応したカーポートを選ぶことが大切ですが、どのようなカーポートを施工するべきなのかは、自己判断せずに施工する業者に確認してください。確認申請にも影響してきますよ。
カーポートの耐積雪量は、各メーカーから以下のように区分されて販売しているので、地域に合わせて選びましょう。
②:カーポートをデザインやサイズで選ぶ
各メーカーから、スタンダードな商品からハイグレードな商品までたくさんのカーポートが存在します。サイズ展開もメーカーによって違ってくるので、選択肢としては非常にたくさんあります。
ここでは、主要メーカーのカタログ先を以下にご案内しますのでご覧ください。
駐車場にカーポートを設置するときの費用
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カーポートの設置費用は、種類によって大きく違います。
まず、住まいの地域の積雪量に対応するカーポートから選ぶ必要があり、費用はおおむね以下の通りです。
カーポートの設置費用は素材やデザイン、サイズなどによって変わりますので、自分の要望に合った製品を選び、業者と相談しながら適切な費用を把握することが大切です。
カーポート費用のシミュレーションはエクスショップというサイトが便利です。使い方は外構の見積もりシミュレーション【アルミ工事ならエクスショップへ】で解説しているのでご覧ください。
外構の駐車場を土間コンクリート以外で作るアイデア
土間コンクリート以外で駐車場を作るアイデアとしては、以下の方法が考えられます。
- アスファルト舗装
- タイルや石材
- 緑化と組み合わせたエコなデザイン
- インターロッキングやレンガ
それぞれ詳しく解説していきます。
アスファルト舗装の特徴と費用対効果
アスファルト舗装は費用対効果が高く、メンテナンス性に優れた素材です。
アスファルトは道路や歩道、駐車場の舗装として広く使われ、コンクリートに比べて費用を抑えることができます。
一般家庭では、小規模で複雑な形状だと割高になりコンクリートの費用とあまり変わらない場合もあります。必ず見積もりを取ってから判断してください。
アスファルトのメリット
- 施工後、翌日には駐車可能
- 初期費用が比較的安い
- 補修可能
アスファルトのデメリット
- デザイン性に欠ける
- ひび割れ・穴・変形が生じやすい
- 夏は表面温度が高温
タイルや石材の特徴と施工の注意点
タイルや石材は、デザイン性が高く個性的な駐車場を作ることができますが、施工には注意が必要です。
素敵な商品を見つけたとしても、以下の事に注意しなければいけません。
タイルの施工に関しては、外構に取り入れたい!駐車場に使えるタイル選びと重要な下地作りで詳しく解説しているのでご覧ください。
工事にかかる費用は以下の通りです。
コンクリートよりも高価なため、全面よりも部分的に使用するようデザインを工夫しましょう。
タイルや石材のメリット
- デザイン性が高くおしゃれになる
- 高級感を演出
タイルや石材のデメリット
- 車の荷重に耐える強固な下地作りが必要
- コンクリートに比べて高価
緑化と組み合わせたエコな駐車場デザイン
緑化と組み合わせたエコな駐車場は、環境に配慮しつつ美しい外観になります。
雨水の浸透を促し、ヒートアイランド現象の緩和に貢献できる点も大きな魅力です。
芝生を敷き詰めた駐車場がポピュラーですが、車の荷重に耐えることができるように、例えば以下のような建材を使う工夫が必要です。
駐車場周辺に花壇や樹木を配置することも景観を向上させることができます。植物の配置にはちょっとしたコツがあり、庭と駐車場を兼用するための3つのコツを参考にどうぞ。
緑化と組み合わせたエコな駐車場デザインは、環境への配慮と美観を両立させたい場合に取り入れたいですね。
緑化のメリット
- 環境と美観の両立
- ヒートアイランド現象の緩和
緑化のデメリット
- 手入れの時間と労力を確保
- デザインセンスと総合的な知識が必要
インターロッキングやレンガを使ったおしゃれな駐車場
インターロッキングやレンガを使った駐車場は、おしゃれなデザインと機能性も兼ね備えています。
ならべ方や組み合わせを自由にでき、個性的なデザインが可能。水はけが良く、凍結に強いという特徴もあります。
タイルや石材と同様、たくさんの種類があり、車の荷重に耐えることができるよう適切な下地施工が大切です。
施工方法は、標準断面構造図|ILB会を参考にご覧ください。
インターロッキングに似た商品にコンクリート平板があります。施工方法もほぼ同じですが、参考までに以下をご覧ください。
下地にコンクリートを推奨する商品もあるので、詳しくはそれぞれの商品カタログを確認しましょう。
工事にかかる費用は以下の通りです。
タイルや石材と同様、コンクリートよりも高価なため、全面よりも部分的に使用するようデザインを工夫しましょう。
インターロッキングやレンガのメリット
- デザインと機能性を兼ね備える
- デザインの幅が広い
インターロッキングやレンガのデメリット
- 車の荷重に耐える強固な下地作りが必要
- コンクリートに比べて高価
外構駐車場の防犯性を向上させるフェンスの種類
防犯性を向上させるフェンスには、チェーン、ゲート、シャッターがあり、それぞれ状況に応じて選びましょう。
チェーンの種類
チェーンは、ポールにひっかけることで簡易的な駐車場の防犯対策として有効で、以下のタイプがあります。
- ポール固定式
- ポール脱着式
- ポール埋め込み式
上記のポールはいずれもモルタルを使って固定する必要があります。
ホームセンターには重りが付いている置くだけタイプのポールもあるので、DIYでより簡易的にできますよ。
チェーンは、駐車場の防犯として使うフェンスの中では、最もコストを抑えることができます。
ゲートの種類
ゲートは、駐車場の防犯性とデザイン性を兼ね備えた商品で、以下のタイプがあります。
- アップゲート
- 伸縮ゲート
- スライドゲート
ゲートにはそれぞれ手動タイプと電動タイプがあり、操作性や予算に応じて選択してください。
ゲートを格納できるためのスペース確保が必要なので注意しましょう。
シャッターの種類
外構の駐車場に使うシャッターはゲートタイプのシャッターです。
ハイクラスの商品であり、クローズド外構にぴったりですね。
手動タイプと電動タイプがあり、操作性や予算に応じて選択してください。
シャッターは駐車場の防犯性を最も高めることができ、デザインも状況に応じて選択が可能です。
駐車場の工事で注意するポイント
駐車場の工事では注意すべきポイントがいくつかありますが、特に注意すべきポイントは以下です。
- 適切な勾配の検討
- 工事中は自家用車を駐車できない
それぞれ解説していきます。
適切な勾配の検討
駐車場の勾配は水はけや車の進入のしやすさに影響するため、適切な勾配を検討することが大切です。
勾配が緩すぎると水たまりができやすくなり、勾配が急すぎると車の出入りが困難になります。
一般的に、駐車場の勾配は2%〜3%が適切とされています。
勾配の計算方法はあなたの家の外構、適切な水勾配はどれだけか分かりますか?を参考にご覧ください。適切な勾配がとれない場合の対策方法も解説していますよ。
駐車場を快適に使うためにも、設計段階で敷地を調査し、適切な勾配を検討していきましょう。
工事中は自家用車を駐車できない
駐車場の工事中は、自家用車の駐車ができなくなるため、事前に代替駐車場の手配や工事期間の調整が必要です。
コンクリートをするのであれば2週間程度は駐車できなくなることを想定しておきましょう。
工事期間は、デザインや面積にも左右されるので業者に確認が必要です。
代替駐車場の手配に関して不安がある場合は、以下の方法でほぼ解決します。
- 新築直後であればハウスメーカーへまず相談
- 町内会長に挨拶とあわせて相談
- コインパーキングや月極駐車場
- 近所に路駐することの挨拶
僕は、外構エクステリア業界を20年以上経験してきていますが、以上の方法で解決できていますよ。
詳しくは【盲点】外構工事中は自家用車を駐車できない場合が多い!をご覧ください。
まとめ:可能なら「来客用」や「将来の子供用」も考慮しよう
この記事では外構の駐車場を計画するときに押さえたい以下のポイントを解説してきました。
さらに、友人知人などの来客が駐車したり、子供が大人になったときに車を所有することも予想されます。確保できるスペースや予算によりますが、駐車スペースに余裕があると安心です。
以上のポイントを押さえつつ、業者に相談しながら具体的に計画を練っていきましょう。
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